【レースレポ(EQADS/日本代表U23)】『ツール・ド・ラヴニール(8/17-26)』世界最高峰のU23レースに手痛い洗礼を受けた日本U23。しかし成長には必要なプロセス。

Kenichi Yamazaki2018/08/15(水) - 15:02 に投稿

■写真↑ :『U23選手版のツール・ド・フランス』と称される「ツール・ド・ラヴニール」(意味:未来へのツール)。「ステージ/総合優勝=翌年の欧州プロへの切符獲得」と言っても過言ではない、U23(23歳未満)選手にとっての世界最高峰レースだ。レース形態は全10ステージ、総走行距離1151,9km、U23ナショナルチーム(選手6名)x26チームにて争われる。

現在、及び過去にプロで活躍の「ツール・ド・ラヴニール」総合優勝者には、エガン・ベルナル(2018年)、エステバン・チャベス(2011年)、ナイーロ・キンタナ(2010年)、ワレン・バルギル、バウク・モレンマ、ヤン・バーケランツ、デニス・メンショフ、ローラン・フィニョン、グレッグ・レモン、ミゲール・インデュライン、ヨープ・ズートメルク、フェリーチェ・ジモンディなどが居る。

正にU23からトッププロを目指す選手にとっては、世界的な『登竜門』。ジャパンナショナルU23選手達の世界的な位置はどこなのか?今後頭角を現す選手は誰なのか?自転車ロードレースファンには見逃せないレースだ。

 

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■写真↑ :2017年度大会にて圧倒的な登坂力を魅せ付け総合優勝を果たしたエガン・ベルナル(コロンビア)。この「ツール・ド・ラヴニール」での勝利が、2018年からは世界最高峰チームである「チーム・スカイ」への入団を決定づけた。

レース&カテゴリー名

第55回『ツール・ド・ラヴニール』(UCIネイションズカップU23/UCI 2.Ncup)

55e édition Tour de l'Avenir(UCI-Nations Cup U23/UCI 2.Ncup)

期間・日程

2018年8月17日(金)-26日(日)

全10ステージ(チームTT含む)

EQADSからの出場選手

石上優大(EQADS/AVCAIX)

渡邉歩(EQADS/GSCブラニャック)

松田祥位(EQADS)

***

他チーム所属メンバー

山本大喜(KINANサイクリングチーム)

大町健斗(Team Eurasia-IRC TIRE)

大前翔(慶應義塾大学)

 

開催地

フランス・ブルターニュ地方~アルプス地方

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【結果/リザルト】

<8月17日(金):第1ステージ=138.2㎞(獲得標高1628m)

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■写真↑:第1ステージの集団スプリントを制したのは、2017&2018のドイツU23ロード王者のマックス・カンター(1997年生まれ)。現在はワールドツアーチーム「チーム・サンウェブ」の育成チーム(コンチネンタル)にて、上位チームへの昇格を目指す。
 

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■第1ステージリザルト:

1位:KANTER Max(ドイツ)03時間15分01秒
2位:BANASZEK Alan(ポーランド)トップと同タイム
3位:TOUZE Damien(フランス)トップと同タイム

30位:石上優大(EQADS/AVCAIX)トップと同タイム
31位:大前翔(慶應義塾大学)トップと同タイム
32位:山本大喜(KINANサイクリングチーム)トップと同タイム
41位:渡邉歩(EQADS/GSCブラニャック)トップと同タイム
124位:松田祥位(EQADS)トップと同タイム
134位:大町健斗(Team Eurasia-IRC TIRE)トップと同タイム

■フルリザルト(PDF)

<浅田監督によるコメント>

『U23版ツール・ド・フランスと呼ばれる今大会に世界各国から優秀な選手が集結。日本チームは3年連続の出場となり、今年は石上の個人総合30位以内、山本のステージ上位入賞を目指しスタート。今日の第1ステージは比較的動きの少ない大人しいステージとなり全員が集団ゴールでレースを終えた。明日はより激しい展開を予測し積極的に逃げに参加させたい。/浅田 顕』

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■写真↑:今年で3回目の「ツール・ド・ラヴニール」出場となる石上優大が、笑顔で頼もしい余裕を見せる。U23ナショナルチャンピオンジャージを身に纏い、ステージ優勝及び総合30位以内を狙う。

 

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■写真↑:「ツール・ド・ラヴニール」初出場の渡邉歩は、この舞台に来れた喜びを笑顔で表現。幸先よく!?第1ステージのスタート地点は柔道の道場(Dojo)前だ。初出場にも臆さない精神力を持つ渡邉の”大物食い”ステージ勝利を期待したい。そして”東北美白ライダー”筆頭の渡邉が、U23世界最激戦レースどこまでその美白を守り切るのか?にも合わせてご注目頂きたい。

 

<8月18日(土):第2ステージ=144.2㎞(獲得標高1116m) >

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■写真↑:3名の逃げを成功させ、少集団スプリントを制したフランスのアラン・リウ(1997年生まれ)。本レース時点でプロコンチネンタルチーム「フォルチュネオ・オスカロ」への2019年からの契約を決めており、近い将来にツール・ド・フランスなどでの活躍が期待されるフランスのホープだ。

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■写真↑:第2ステージスタート前に集中する松田祥位(手前)と山本大喜(奥)。確実に厳しいレースになる「ツール・ド・ラヴニール」は、集中力の途切れが命取りになる。

■第2ステージリザルト:

1位:RIOU Alan(フランス)3時間11分43秒
2位:KLARIS Magnus Bak(デンマーク)トップから+1秒
3位:AALRUST Håkon Lunder(ノルウェー)トップから+1秒
17位:山本大喜(日本)トップから+2分16秒
25位:石上優大(日本)トップから+2分16秒
128位:渡邉歩(日本)トップから+2分31秒
133位:大前翔(日本)トップから+3分28秒
142位:松田祥位(日本)トップから+8分11秒
144位:大町健斗(日本)トップから+8分11秒

■第2ステージ終了時点での総合上位:

1位:RIOU Alan(フランス)6時間26分44秒
2位:KLARIS Magnus Bak(デンマーク)+1秒
3位:AALRUST Håkon Lunder(ノルウェー)+1秒
21位:山本大喜(日本)+2分16秒
25位:石上優大(日本)+2分16秒
126位:渡邉歩(日本)+2分31秒
131位:大前翔(日本)+3分28秒
138位:松田祥位(日本)+8分11秒
140位:大町健斗(日本)+8分11秒

■フルリザルト(PDF)

<浅田監督によるコメント>

『第2ステージは平坦ステージに位置付けられるが細かい起伏と細い畑道が神経を削る。チームは序盤から逃げを試みるがどのアタックも成功せず、対して勢いが違ったデンマーク、ノルウェー、フランスの3名の先行を集団が見送る。昨日より神経質な集団は幾度か落車を引き起こしながら進むなか終盤になるとメイン集団も先頭を追いかけるが、主導でペースアップするチームが無く結局ゴールでは2分以上の差を許し集団は4位以下のゴールスプリントとなった。山本、石上、渡辺、大前はメイン集団ゴール。大町と松田は終盤に落車し遅れたグループでのゴールとなった。明日はより難しいレースが予想される中、特に終盤の勝負局面で先頭を外さぬよう心掛けたい。/浅田 顕』

 

<8月19日(日):第3ステージ=171.2km(獲得標高1607m)

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■写真↑:逃げ切り優勝を果たしたフランスのダミアン・トゥゼ(1996年生まれ)。メキメキと頭角を現してきた期待の若手で、8月12日にはフランスの”エリート”ナショナルチームの一員として、「欧州選手権ロード」に出場した。2019年からはプロコンチネンタルチームの「コフィディス」で走ることが決まっている。

 

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■第3ステージリザルト:

1位:TOUZE Damien(フランス)3時間39分16秒
2位:AFFINI Edoardo(イタリア)トップと同タイム
3位:ARENSMAN Thymen(オランダ)トップから+5秒
82位:大前翔(日本)トップから+12秒
131位:山本大喜(日本)トップから+12秒
133位:松田祥位(日本)トップから+12秒
136位:渡邉歩(日本)トップから+5m22秒
DNF:大町健斗、石上優大は途中棄権

■第3ステージ終了時点での総合上位:

1位:RIOU Alan(フランス)10時間06分12秒
2位:AALRUST Håkon Lunder(ノルウェイ)トップから+1秒
3位:KLARIS Magnus Bak(デンマーク)トップから+1秒
117位:大前翔(日本)トップから+3分28秒
123位:山本大喜(日本)トップから+7分23秒
126位:渡邉歩(日本)トップから+7分42秒
135位:松田祥位(日本)トップから+13分21秒

■フルリザルト(PDF)

<浅田監督によるコメント>

『第3ステージはゴール周回に急勾配の難所があり、チームは個人総合を狙う石上を先頭グル―プでゴールさせる事。他のメンバーはまだ今回出来ていない「逃げに乗る事」を課題にスタート。序盤よりアタックが連続しハイペースで進みペースが緩むことなく前半を消化する中、渡邉と松田が10名程のアタックグループに参加し20秒まで開く。しかし集団はそれを容認せずすぐに振り出しに戻す。その後の展開のなか伸びた集団から力で飛び出した7名が最大2分のタイム差で進み、集団のペースアップに抵抗した末ゴールでは僅かなタイム差で逃げ切った。チームでは大前が最後まで集団まで残ったがスプリントには参加できず82位のゴールに留まった。一方、好調のもと個人総合を狙う石上は補給地点での落車で鎖骨を骨折し戦列を離れる残念な結果となってしまった。また大町も昨日の落車の影響で力が出せず途中リタイヤとなった。日本チームとしては僅か3日目にして2名を失い、あと7日間を残し非常に厳しい状況になってしまった。』

 

<8月20日(月):第4ステージ=20.2㎞チームTT(獲得標高78m)>

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■写真↑:1998年生まれのホーカン・オールスト(ノルウェイ)がマイヨジョーヌを獲得。2015&2016にはノルウェイのシクロクロスジュニアチャンピオンにも輝いている。

■第4ステージリザルト:

1位:デンマーク 22時間11分49秒
2位:ベルギー トップから+13秒25
3位:ノルウェイ トップから+15秒88
24位:日本 トップから+2分17秒51

■第4ステージ終了時点での総合上位:

1位:AALRUST Håkon Lunder(ノルウェイ)10時間28分40秒
2位:RIOU Alan(フランス)トップから+11秒
3位:NIELSEN Andreas(デンマーク)トップから+1分54秒
115位:大前翔(日本)トップから+5分11秒
125位:山本大喜(日本)トップから+9分6秒
127位:渡邉歩(日本)トップから+9分25秒
135位:松田祥位(日本)トップから+15分4秒

■フルリザルト(PDF)

<浅田監督によるコメント>

『チームは昨日2名の棄権者があったため4人出走での厳しいチームタイムトライアルとなった。本来は6名出走で4人目のゴールタイムがチームタイムとなるためスタートから足並みをそろえ最後まで一定ペースを心掛けた。平均速度49㎞以上で走りむけたが結果は24位。トップのデンマークとは5㎞/h以上の速度差があった。平坦ステージはあと2日のみ。引き続き逃げの展開に乗ることを心掛け存在感を示しつつステージ成績に結び付けたい。/浅田 顕』

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<8月21日(火):第5ステージ=145.8㎞(獲得標高832m)>

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■写真↑:ステージレースでのスプリントを得意とする英国のマシュー・ギブソン(1996生まれ)が、90人もの選手が残る大集団スプリントを制した。毎年確実に勝利を残す英国が、選手層の厚さを見せつけた。

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■写真↑:4名になった日本U23だが、気持ちを切り替えて世界最高峰の大会に全神経を注ぐ。

■第5ステージリザルト:

1位:GIBSON Matthew(イギリス)3時間10分59秒
2位:SAJNOK Szymon(ポーランド)トップと同タイム
3位:HEIDERSCHEID Colin(ルクセンブルグ)トップと同タイム

15位:大前翔(日本)トップと同タイム
18位:山本大喜(日本)トップと同タイム
102位:松田祥位(日本)トップから+35秒
130位:渡邉歩(日本)トップから+4分8秒

■第5ステージ終了時点での総合上位:

1位:RIOU Alan(フランス)13時間40分04秒
2位:NIELSEN Andreas(デンマーク)トップから+1分29秒
3位:BJERG Mikkel(デンマーク)トップから+1分29秒

99位:大前翔(日本)+4分46秒
119位:山本大喜(日本)+8分41秒
127位:渡邉歩(日本)+13分8秒
130位:松田祥位(日本)+15分14秒

■フルリザルト(PDF)

<浅田監督によるコメント>

『フラットな第5ステージは序盤から2名を一定の差で逃がせて追い風に乗りハイペースで進んだ。チーム4名は序盤の逃げに乗れなかった事から集団待機でゴールを待った。終盤にはペースアップとポジション争いで落車が頻発し、リーダージャージ、グリーンジャージ等主力メンバーが連続して落車する中、生き残った90名の大集団ゴールスプリントとなり、好位置で最終直線に入った大前が15位、次いで山本が18位と好順位を残した。渡辺はラスト20㎞付近で起きたリーダージャージを含む落車に巻き込まれ負傷したが自力で完走。松田はラスト5㎞の主力メンバーによる落車で足止めにあったが幸い無傷でゴールし共に明日の出走を確定させた。/浅田 顕』

 

<8月22日(水):第6ステージ=181.1㎞(獲得標高1972m)>

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■写真↑:平均時速45.184kmで今大会最長ステージを制したのは、イタリアのアレッサンドロ・コヴィ(1998年生まれ)。8月からはワールドチーム「UAEチームエミレーツ」の研修生となったが、この勝利で2019年からの本契約へと大きく前進した。

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■写真↑:アジア選手権U23ロード優勝者の証であるチャンピオンジャージを身に纏う山本大喜(中央)と渡邉歩(左)、松田祥位(右)。レース後の日本U23人数は3名になったが、アジアの誇りを胸にレースのクライマックスで爪痕を残すべく戦う。

■第6ステージリザルト:

1位:COVI Alessandro(イタリア)4時間00分29秒
2位: 121 10009513761 DOWNEY Mark(アイルランド)同タイム
3位: 93 10014624449 GUGLIELMI Simon(フランス)同タイム

17位:大前翔(日本)トップから+5秒
89位:山本大喜(日本)トップから+5秒
134位:渡邉歩(日本)トップから+9分3秒
DNF:松田祥位(日本)

■第6ステージ終了時点での総合上位:

1位:RIOU Alan(フランス)17時間40分38秒
2位:NIELSEN Andreas(デンマーク)トップから+1分29秒
3位:BJERG Mikkel(デンマーク)トップから+1分29秒

94位:大前翔(日本)トップから+4分46秒
107位:山本大喜(日本)トップから+8分41秒
133位:渡邉歩(日本)トップから+22分6秒

■フルリザルト(PDF)

<浅田監督によるコメント>

『第6ステージは最後の平坦ステージ。スタートから逃げを決めたい平坦系選手のアタック合戦が始まりペースが上がる。幾度か逃げが出来かけては吸収される展開のなか、約70㎞付近で形成された9名が先行態勢を作る。集団はポルトガルらのコントロールにより2分前後で後半へ進んだ先頭にはデンマーク3名らの機関車的選手が入っていたため最後は僅か5秒の差で先行グループが逃げ切った。集団では山本と大前が終始連携し、スプリントでは大前が17位でゴールし昨日に続いて好順位を残した。渡邉は昨日の落車の影響もあり調子が悪かったため補給サポートに徹し暑い中チームカーと好位置につける選手間を何往復もしチームを助けた。第6ステージまでの展開内容を課題としてきた松田は逃げに乗る最後のチャンスと意気込みアタック合戦に粘り強く参加したが中盤には力尽きて途中リタイヤとなった。明日からは山岳ステージが始まる。これより残る3名で第10ステージまで走り切りたい。/ 浅田 顕』

<8月23日(木):第7ステージ=35.4㎞(獲得標高1494m)>

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■写真↑:勝利を確信してガッツポーズをした米マクナルティを、コロンビアのソザ・クエルボが僅差で刺して勝利!油断が命取りとなった・・

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■第7ステージリザルト:

1位:SOSA CUERVO Ivan Ramiro(コロンビア)1時間10分12秒
2位:MCNULTY Brandon(アメリカ) トップと同タイム
3位:POGACAR Tadej(スロベニア)トップと同タイム

118位:山本大喜(日本)トップから+9分45秒
125位:渡邉歩(日本)トップから+11分30秒
135位:大前翔(日本)トップから+13分41秒

完走136人/出走142人

■第7ステージ終了時点での総合上位:

1位:POGACAR Tadej(スロベニア)18時間52分56秒
2位:MCNULTY Brandon(アメリカ)トップから+7秒
3位:ARENSMAN Thymen(オランダ)トップから+12秒

104位:山本大喜(日本)トップから+16分20秒
105位:大前翔(日本)トップから+16分22秒
130位:渡邉歩(日本)トップから+31分30秒

■フルリザルト(PDF)

<浅田監督によるコメント>

『山岳ステージ初日は1級山岳を2つ登る35.4㎞のショートステージ。スタートからコロンビア勢のペースアップで先頭グループは最初の1級山岳で40名に絞られる。登りゴールとなる2つ目の1級山岳でも破壊的なペースアップが続いた末、個人総合優勝候補のSOSA(コロンビア)が僅かな差でMCNULTY(アメリカ)を下してステージ優勝し、同タイムステージ3位のPOGACAR(スロベニア)が総合リーダーに立った。日本チームの3選手は無事規定時間内でゴールを果たし第8ステージに繋げた。たった35㎞の山岳ステージは遅れながらも全力でゴールした5名の選手を残酷にもタイムアウトとして除外した。/浅田 顕』

 

<8月24日(金):第8ステージ=81.1㎞(獲得標高1889m)>

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■写真↑:U17時代から堅調に世界レベルで好成績を残してきているスイスのジーノ・メーダー(1997年生まれ)が後続を振り切って勝ちきった。今年2018年には、ツール・ド・アルザス(UCI2.2)、ロンド・ド・リザール(UCI2.2U)でステージ優勝を果たしたスイス期待の星だ。現在はコンチネンタルチーム「IAM Excelsior(スイス)」に所属しているが、近々のプロコンチネンタル以上チームへの移籍が確実視されている。

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■写真↑:先頭から10分以上遅れてグルペットで走行する渡邉歩。日本の高校生チャンプなどに輝いた渡邉も、世界での自分の位置を赤裸々に見せつけられる。しかし世界に於ける自分の真の立ち位置を確認することは、今後のモチベーションにとって大きな糧となる。

■第8ステージリザルト:

1位:MÄDER Gino(スイス)2時間11分24秒
2位:SOSA CUERVO Ivan Ramiro(コロンビア)トップから+15秒
3位:STANNARD Robert(オーストラリア)トップから+15秒

90位:山本大喜(日本)トップから+8分13秒
102位:大前翔(日本)トップから+10分39秒
121位:渡邉歩(日本)トップから+11分59秒
完走131人/出走136人

■第8ステージ終了時点での総合上位:

1位:POGACAR Tadej(スロベニア)21時間4分35秒
2位:MCNULTY Brandon(アメリカ)トップから+7秒
3位:ARENSMAN Thymen(オランダ)トップから+12秒

103位:山本大喜(日本)トップから+24分18秒
107位:大前翔(日本)トップから+26分45秒
124位:渡邉歩(日本)トップから+43分14秒

■フルリザルト(PDF)

<浅田監督によるコメント>

『山岳ステージ2日目は81㎞と距離は短いが1級山岳を越えた後の2級山岳での登りゴールになる。そのため個人総合争いのではタイム差を狙う激しい展開が予測されたが、途中各チームが伏兵を逃がす展開でレースは高速ではあるが割と穏やかな様相で進んだ。ゴールでは1級山岳で逃げがすべて吸収された後に飛び出したスイスのMADERが後続は15秒の差で逃げ切り単独ゴールとなった日本勢3人はトップから10分前後遅れの各小グループでのゴールとなった。第9ステージは今日大きな動きが無かった分、最も厳しいステージになることが予測される。/浅田顕』

 

<8月25日(土):第9ステージ=83㎞(獲得標高2857m)>

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■写真↑:ステージ優勝は、ジュニア時代にスペインジュニア個人タイムトライアル王者タイトルも獲得したフェルナンド・バルセロ。2017年後半はプロコンチネンタルチーム「コフィディス」の研修生になるも、本採用には至らず。2018年はスペインのプロコンチネンタルチーム「エウスカディ・ムリアス」に所属する、正に”メジャープロ”と”マイナープロ”の境界線に居る選手ともいえる。この勝利によって、トッププロチームからの声がかかる可能性が急上昇したはずだ。

 

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■写真↑:スタートラインに立つ渡邉歩。今はU23世界最高峰ステージレースの全てを見て感じる事が重要。

■第9ステージリザルト:

1位:BARCELO ARAGON Fernando(スペイン)2時間29分50秒
2位:RIES Michel(ルクセンブルグ)トップから+9秒
3位:POGACAR Tadej(スロベニア)トップから+9秒

99位:山本大喜(日本)トップから+17分17秒
119位:渡邉歩(日本)トップから+24分40秒
123位:大前翔(日本)トップから+25分45秒

■第9ステージ終了時点での総合上位:

1位:POGACAR Tadej(スロベニア)23時間34分34秒
2位:RIES Michel(ルクセンブルグ)トップから+1分7秒
3位:ARENSMAN Thymen(オランダ)トップから+1分17秒

98位:山本大喜(日本)トップから+41分26秒
110位:大前翔(日本)トップから+52分21秒
122位:渡邉歩(日本)トップから+1時間8分45秒

■フルリザルト(PDF)

<浅田監督によるコメント>

『1級山岳を3つ含む登りゴールの83㎞のステージは平坦区間の無い極端な山岳レース。序盤から揺さぶりの逃げは幾度かあったが、各チームのエース各の動きが増すとラスト25㎞地点の最後の登りに差し掛かると、スペインのBARCELOの単独先行に対し20名程度に絞れたグループが追走する状況となる。日本勢3人はこの時点で戦列にはおらず、完走目的に各グループでゴールを目指すことになった。ゴールはそのままBARCELOが単独ゴール。次いで小集団から抜け出し追走に入った総合リーダー含む2名が僅か9秒遅れでゴールする全体的に攻撃的なレースとなった。日本勢3名は雨の中トップから20分前後遅れの各グループでゴールラインを通過し明日の最終ステージを迎える事になった。/浅田 顕』

 

<8月26日(日):第10ステージ=149.7㎞(獲得標高3254m)>

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■写真↑:スイスのジーノ・メーダーが第8ステージに続き再度ステージ優勝!トッププロチームによる獲得は時間の問題か。なお、第10ステージでの通過が予定されていた一級山岳イズラン峠は、高標高による凍結の危険性によりルートから外された。よって、山岳での逆転を狙っていた総合勢にとっては残念な展開となった。

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Tadej Pogačar

■写真↑:1998年生まれ、大会時点で若干19歳のタデイ・ポガカー(スロベニア)が、他の強豪優勝候補を抑えて総合優勝を果たす。ポガカーは2019年からワールドチーム「UAEチームエミレーツ」で走ることが決定している(2年契約)。

■第10ステージリザルト:

1位:MÄDER Gino(スイス)2時間54分19秒
2位:DUNBAR Edward(アイルランド)トップと同タイム
3位:CHAMPOUSSIN Clement(フランス)トップと同タイム

90位:大前翔(日本) トップから+15分43秒
112位:山本大喜(日本)トップから+18分54秒
117位:渡邉歩(日本)トップから+20分20秒  

■最終総合上位(総走行距離1110,8 km):

1位:POGACAR Tadej (スロベニア)26時間28分53秒 (平均時速42,038 km/h)  
2位:ARENSMAN Thymen(オランダ)トップから+1分28秒    
3位:MÄDER Gino(スイス)トップから+1分35秒 

99位:山本大喜(日本)トップから+1時間20秒
18位:大前翔(日本)トップから+1時間8分4秒
122位:渡邉歩(日本)トップから+1時間29分5秒

【2017年大会のレポート】

<2017年度「ツール・ド・ラヴニール」レポート>

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【参考リンク】

<2018年「エキップアサダ(EQADS)」メンバー>