【EQADSレポ】仏名門チームでの初遠征戦にて、鮮烈な”逃げ”を打つ津田(4/4&5)

Kenichi Yamazaki2021/04/06(火) - 15:18 に投稿

【EQADSレポ】仏名門チームでの初遠征戦にて、鮮烈な”逃げ”を打つ津田(4/5)】

フランスの名門チーム『AG2RシトロエンU23』に派遣中の津田悠義。3月末に予定されていた初戦がコロナ禍で中止となるも、無事4月5日&6日に新チームでのデビュー戦に参戦。4月5日(日)開催の地域圏チームTT大会である『トロフェ・レージョナル』に臨んだ津田は9位と苦戦も、併催された”格上大会”である「オーヴェルニュ・ローヌアルプ地域選手権チームTT」では、チームメイトが見事優勝。そして津田にとって新チームでの初のロードレースとなった4月6日(月)『グランプリ・ド・プイユネ』では、9名の逃げに乗る積極的な動きを見せ、好調ぶりをアピールした。

レースカテゴリー名

・4月4日「トロフェ・レージョナル(チームTT)」Trophée Régional de contre-la-montre par équipes(全カテゴリー)

・4月5日「グランプリ・ド・プイユネ」Grand Prix de Pouillenay(全カテゴリー)

開催地

プイユネ(フランス、ブルゴーニュ・フランシュコンテ地方)

【リザルト】

◆4月4日「トロフェ・レージョナル(チームTT)」(41.5km)

1位:SCO DIJON 49分10秒00 (平均時速:50,64 km/h)
(チームTT選手構成:DEBEAUMARCHE Nicolas / LEROY Olivier / NAVARRO Corentin / PELLEGRIN Mathieu / RIGOLLOT Mathieu / SOUTON Julien)
2位:BOURG-EN-BRESSE AIN CYCLISME  49分15秒00
(チームTT選手構成:DIDIER Clément / JAMET Alexandre / LE CAM Brendan / PFRIMMER Arnaud / DUCRUET Mathis / VOLLMER Andrew)
3位:TEAM PRO IMMO NICOLAS ROUX  49分42秒23
(チームTT選手構成:ACOSTA Thomas / POL Gaetan / GUILLOT Romain / JOLIBERT Clément / PIJOURLET Louis / THOMASSON Nicolas)

9位:AG2R CITRÖEN U23 TEAM② 51分39秒00
(チームTT選手構成:ALLARD Mateo / MALUCCHI Fabio / LACROIX Baptiste / LAWTON Henry / MOORE Peter / 津田悠義

■下記Twitter動画はAG2R CITRÖEN U23 TEAM撮影による津田悠義グループチームTT中の映像です:



■同コースで併催された格上大会である「オーヴェルニュ・ローヌアルプ地域選手権チームTT」では津田のチームメイトたちが優勝(下記結果):

1位:AG2R CITRÖEN U23 TEAM① 49分19秒12 (平均時速50,49 km)
(選手構成:BAUDIN Alex / DELPHIS Thomas / LAPEIRA Paul / TRASTOUR Loris)

<津田悠義による「トロフェ・レージョナル」レース後コメント>

TTTは41,5kmと経験した事ない距離でしたがチームメイトとしっかりコミュニケーションをとりながら、うまくまとめられたと思います。 今後もTTTはステージレースなどで総合成績に絡んでくると思うので今回の事を今後に活かして行きたいです。 

 

◆4月5日「グランプリ・ド・プイユネ」(121,6km)

1位:DEVAUX Thomas(CHARVIEU-CHAVAGNEUX IC)
2位:LEFAURE Paul(CC ETUPES)
3位:BRENANS Emile(BOURG-EN-BRESSE AIN CYCLISME)
52位: 津田悠義(AG2R CITROËN U23 TEAM/EQADS準所属)

■新チームでのロードレースデビュー戦で早速9人の逃げを作るアタックを決め、印象的な走りを果たした津田。

<①津田悠義による「GP・ド・プイヨネ」レース後コメント>

ロードレースは14km×5+16km×3の120キロでした。 どちらの周回にも登坂に5分ほどかかる坂があり、そこでの動きに注意していました。 レースは序盤に30名ほどの逃げが出来、チームからは2人乗ったので自分は集団待機する事にし、次の動きに備えました。逃げに乗せてない主要チームが逃げを捕まえたタイミングでアタックをし、それに8名が反応9名の逃げを作る事ができました。そこからはかなりハイペースでローテーションを回して行き、上りで動きに注意しながらレースを進めて行きました。最終的にこの逃げが勝ち逃げになりましたが、最終周回の上りの強烈なアタックについていけず、最後は力も残っておらず、後ろから来た集団にもパスされゴールしました。 久々のレースでしたが、レース感は鈍っておらず、コンディションもまずまずなだけにとても悔しいです。次戦がいつになるか分かりませんが、結果を残せるように取り組んで行きます。 引き続き応援宜しくお願いします。

<②津田悠義による「GP・ド・プイヨネ」”詳細”レースレポ(レース数日後に作成)>

今回は再渡仏&新チーム加入後の初戦であり、約半年ぶりのレースになったため、流れに乗りつつ重要な部分をしっかりと見極め、集団での“レース感”を取り戻すことを第一に考えました。同時に、新たなチームメイトとしっかりコミュニケーションを取りながら、チャンスがあれば優勝を狙っていくことを考えてスタートしました。

レースは試走することが出来ませんでしたが、周回レースということもあり1周目をコース分析と位置づけ、それを基に2周回目以降の展開を構築しようと考えました。

久々のレース前ルーティンであるレーススタート前準備、そしてスタートラインに立った時にはいよいよ始まる新たな戦いの楽しみと共に、改めてこの状況下にも関わらず、素晴らしい環境で取り組ませて頂いている事への感謝の気持ちが湧いてきました。

スタート後はアタック合戦が繰り広げられた1周目でコースを確認・分析。コース特徴はスタート直後に5分ほど上り、最後の1分では勾配がきつくなり、その後は勢いよく下って平坦基調の道に出てゴールラインに戻るというシンプルなプロフィール。しかし警戒すべきは「追い風+横風」の平坦区間。展開と位置取り次第では致命傷を負う場所になってしまう可能性が高いと予想を立てました。

2周目もハイペースなアタック合戦が続いたため、ポジションを集団の真ん中くらいまで落としてしまい、最初の上りの中切れの影響で抜け出した30名ほどの集団の先行を許すことに。その後の平坦区間で追走に乗るも追いつけず、結局「30名ほどの逃げvs大集団」という形に。チームからは2名を逃げに乗せていたため、追走の動きを見ながら逃げにジョインすることを考えました。

3周目に入ると前に追いつきたい選手たちが最初の上りで前に行こうとするも、その後の下りと平坦で大集団が追いてしまう。そのタイミングで逃げに誰も逃げに乗せられていないチームが集団牽引してハイペースになったため、自分のポジションを落としてしまうことも何度かあった。

4周目終盤。

先行していた30名ほどの逃げが捕まるであろうタイミングでポジションを上げ、次の動きに備える。そしてレースが振り出しに戻るタイミングにて4人の選手がカウンターアタックで抜け出した。

自分はタイミングが合わずこの動きに反応できなったものの、このカウンターの4名の勢いからみて勝ち逃げになると予想。

そこで5周目に入り集団が緩んだ瞬間にアタック。自分以外に4人が反応して、登り口では計9名の逃げが形成される。そのままかなりのハイペースで上りをこなし、そのあともペースを落とさずローテーションを続け、14kmの第1周回から16kmの第2周回コースへと突入した。後続メイン集団とのタイム差は約40秒前後。

後半で使用の16kmの周回コースは、前半で使用の14km周回コースに比べて上りの時間は短いものの勾配がよりきつく、脚がない状態でペースを上げられたら力差で遅れてしまう可能性がある上りだった。しかしそのキツイ勾配区間以外は、追い横風の平坦区間を含むという点で第1周回に似たようなコースだった。

そのまま常にハイペースなままローテーションをしながらラスト2周へ。

この周の上りは数名の選手がペース上げる感じで踏んで行くが、脚には来ていたものの、しっかりと対応できた。

その後の平坦横風追い風区間でアタックがあり3名が抜け出す。

この段階でチームメイトを前3名の“抜け出し“に乗せている選手が1人、2名の同一チーム選手、異なるチームの選手が2名、そして自分という「前3vs 追う6名」展開。

この逃げ展開9名中、一番強いであろう選手が前3名の”抜け出し“に入っていたため、脚を使ってでも反応しなければ危険と考えて、自分からアタックし先頭3名に合流=「前4vs 追う5名」。

結局最終的には追走に追い付かれて元の9名に戻ってしまったが、ここはアタックして追いつかないと”負け確定“になりうる局面だったため、後悔無し。しかし、その攻撃でかなり脚にダメージを受けてしまい、そのまま最終周回へ。

最終局面。

上りでのアタックに注意しながら進んでいく。

案の定、最後の勝負所である上りで強烈なアタックがあり、頂上まで50mの所で遅れてしまった。その後は他の遅れた1名と一緒に追走を試みるが、すぐに後続メイン集団に捕まる。更にメイン集団に捕まった部分が追い風の横風区間で、位置取りが熾烈な“エシュロン”(斜めローテーション)が構成される。結局位置取りに争いに加わる力が残っておらず、集団にもパスされ52位でレースを終えました。

率直な感想から言いますと、とてつもなく悔しいです。最終的に上りで抜け出した5名が勝ち逃げになり、自分は最後のアタックに対して力で負けてしまった。

しかし久々のレースにも関わらずレース感にも鈍りは感じられず、集団走行においても特に違和感はなかった。

力負けしてしまったのはとても悔しいですが、コンディション的には良い方なので来週のエリートナショナル(アマチュアトップカテゴリー)のレースに向けて回復し、準備していきます。

引き続きご声援のほど宜しくお願いいたします。

津田悠義

【参考リンク】

<2021年「エキップアサダ(EQADS)」メンバー>