【レースレポ(EQADS/日本代表)】『ヘント〜ウェヴェルヘムU23(3/25)』UCIネイションズカップU23開幕!日本U23はまずまずの滑り出しを見せる。(*石上、蠣崎、渡邉のレポート追記済)

Kenichi Yamazaki2018/03/26(月) - 04:27 に投稿

U23世界最高峰シリーズ「UCIネイションズカップU23」の今季初戦、「ヘント〜ウェヴェルヘムU23」に臨むU23ジャパンナショナルチーム。左から蠣崎優仁、中川拳、佐藤健、渡邉歩、石上優大、山本大喜。「UCIネイションズカップU23」は各国ナショナルチームU23による国際戦で、年々プロ入り年齢が若くなる傾向の世界自転車ロード界にとって、多くのUCIプロチームスカウトマンが最も注目する大会である。日本U23チームは本大会を皮切りに、8月のU23版ツール・ド・フランスである「ツール・ド・ラヴニール」への出場権をかけて転戦を繰り広げる。

レース&カテゴリー名

ヘント〜ウェヴェルヘムU23(UCIネイションズカップU23)

Kattekoers - Gand-Wevelgem

期間・日程

2018年3月25日(日)

距離

187km

EQADSからの出場選手

石上優大(EQADS/AVCAIX)

渡邉歩(EQADS/GSCブラニャック)

開催地

ベルギー・イーペル周辺

【結果/リザルト】

(183人出走)

1位:ジーガ・ジェルマン JERMAN Žiga(スロヴェニア)4時間39分44秒

2位:ジェイク・スチュワート STEWART Jake(イギリス)トップと同タイム

3位:マチュー・ブルゴドー BURGAUDEAU Mathieu(フランス)トップと同タイム

25位:石上優大(日本代表U23/EQADS/AVCAIX)トップと同タイム

81位:蠣崎優仁(EQADS)トップから+8分10秒

 

DNF:

山本大喜(日本代表U23)

渡邉歩(日本代表U23/EQADS/GSCブラニャック)

佐藤健(日本代表U23)

中川拳(日本代表U23)

 

<浅田顕監督によるコメント>

欧州でのU23ネイションズカップ初戦となる今大会は、フラットコースでの風向きによる戦術とテクニカルな急坂区間で勝負が決まる。更に今年はダート区間もコースに組み込まれ更に難しいレースとなった。レースは風も穏やかな序盤に山本大喜がオーストリア選手と先行し120㎞以上逃げ続ける。しかし終盤になると風も強まり、主力国の破壊力のあるペースアップとアタックで2人を捕え、その後一気に先頭集団は小さくなり終盤を迎えた。最終的に石上が残る50名程の先頭集団からダート区間で飛び出した8名がゴールへ先着、そして石上の残る集団はゴール前に追い上げを見せたが同タイムながらわずかに届かず、石上は35位でのゴールとなった。全体を通じては各選手課題が残るものの、山本の逃げは日本チームの存在感を示し、U23カテゴリー1年目の蠣崎が完走するなど悪く無いスタートとなった。次は2週間後に控えるTOUR DES FLANDRES U23に向け、フランス国内レース参戦で更にコンディションを高めて行きたい。

 * * *

<石上優大(35位、メイン集団ゴール)自身によるレースレポート>

 

『実質UCIネイションズカップ初戦の今回のレース。コースの前半は平坦基調で、コース後半には、GPMが2つ(GPM1・2)、石畳の登り(GPM 3)、今流行りのダート区間が設定。このGPM2つと石畳の登り(GPM3)を2回通る。ここ1、2年の結果を見るが、日本人にはかなり厳しいパワーを必要とするレース。

自分自身初めての参加となるが、順位よりもまずは集団に残ることを考えて走った。

とはいえ、順位も欲しいので、プランとしては、スタート直後の逃げにのり、前待ちでレース後半に後ろからくる本命の選手たちの追走と合流する。昨年がこれに近い展開だったようなので可能性は十分にあった。

 

そんなプランをもってレーススタート。集団の前方に位置して、いつでも逃げに反応できるようにする、今回のコースマップ、レース当日の風の向き、強さから37km地点が逃げが決まりやすいのではないかと予想していたが、スタート直後の風が穏やかで、あっさりと山本選手とオーストリアの選手の2名の逃げが決まった。追走の動きの反応にシフトするが、道幅の狭い区間で集団に蓋がかかり、すぐに2分→3分とタイム差が開き、逃げを容認。

 

逃げとのタイム差が8分まで広がった37km地点。何か起きるなと思い、集団前方に上がっていた最中、橋の上で落車ストップ。車一台通れるくらいの橋で、後ろにいた選手をほぼ全員塞いだ。

落車を抜けて左コーナーを曲がると、確実に集団と離れている。というよりも集団前方が踏んでいる。この時ペースアップしていたのはベルギー。風向きが変わったタイミングで横風の攻撃をしてきた。落車ストップした組、スローペース中でトイレに行っていた組は、後ろに取り残された。

 

かなりまずい展開だが、レース序盤で、分断した集団は20人以上メンバーがいたため、焦ることなく、追走。なるべく脚を削らないように、集団復帰。

 

朝は穏やかだった風も、だんだん強くなってきて、37km地点過ぎからは風のレースになっていた。どこの国も、風に当たらないところの取り合いで集団内はかなりナーヴァス。とにかく前に突っ込んで、脚を残すために脚を使う。追い風、向かい風はペースが緩み、横風になるとペースが上がってを繰り返し、90km地点。風の影響を受けない区間に入り、しばしペースダウンから、今度は111km地点の1つ目のGPMに向けて位置取り。このレースのGPMは1kmほどで終わるものだが、このGPMの道幅がとても狭く、すぐに2つ目のGPM、その後ケンメルゲルグ(プロのレースでも使っている石畳の登り)に入るため、かなりここでの位置取りが重要になってくる。

しかしここで失敗。集団内の位置を上げているときに落車に引っかかりそうになり、集団最後尾に交代。そのまま1本目のGPMに最後尾で侵入。案の定、集団内で詰まった落車が起こり、完全にストップ。元の場所にいれば引っかからずに済んだのにと思いながら再スタート。

集団との差もかなりひらいており、集団の尻尾を目指して、脚を使いそのまま2つ目のGPMもクリア。何とか集団の最後尾に追いつき集団復帰。ただ、これにはかなり脚を使った。

 

使った脚を回復させられず、ケンメルベルグ(GPM 3)に突入。位置取りも悪く、何とか粘ってGPM通過。かなり悪循環。下り区間を終え、大通りに出たところで50人程の集団か。逃げていた選手たちも見えてきて、山本選手を吸収。集団はどこも引くチームがなく、アタック合戦状態。かなり脚を使っていて、何とか耐えることしかできなかった。

集団がほぼ1塊のまま、ダート区間へ。バイクコントロールに関しては、小さい時からマウンテンバイクをやっていたので、ほかの選手に比べてアドバンテージを取ることができ、無事に集団で通過。4選手程パンクをしている選手をみて、運も大事だなと思った。

 

相変わらず脚を使いかなりきつい。が、先ほどのダート区間で抜け出した8人が先行しているが、集団も疲れている様子でペースがなかなかあがっていない。

 

まだ何かできるかもしれないと思ったが、今度は脚が攣りはじめる。基本、脚が攣らない自分だが、ピキピキした脚を何とか動かし、2度目のGPM 3つを通過。

 

そのまま、集団についていくことしかできず、ゴールへ。前には逃げの8名が見えていて、できる限り集団前方でゴールしようとしたが、脚が攣りそうでダンシングもできず、ずぶずぶに埋もれて、35位でゴールした。

 

 

厳しいレース展開で、後半何もすることができなかったが、自分の評価としては上々。

春先のパワーが必要なこのレースで、メイン集団でゴールできたのはまずは良かった。

脚が攣らなければ、もう少し良い結果が望めたかもしれない。

ただ、今回は無駄足になったシチュエーションが多かった。あれがなければ、もっと脚を残し、終盤に繋げることができた。

次の、Tour des Flandresでは、順位を狙うためにも、もっとうまく立ち回ったレースをしていきたい。(石上優大)』

 * * *

蠣崎優仁(81位)自身によるレースレポート>

『<目標>
・U23カテゴリーに上がって初めてのネイションズカップとなるので、レベルの高さ、集団の雰囲気、全てを1から経験するつもりでレースに挑む
   
・過去のレース情報から、必ず展開を動かすような主要な逃げが序盤のアタック合戦の中から生まれると予想し、スタート後のアタック合戦には参加していく。
   
・もしも逃げに乗れなかった場合は、レース後半に難所が集中するので、そこまでいかに脚を温存するかを最優先して、位置取り等を気をつけていく。
   
・190kmのレースは初めて経験するので、前半からしっかりと補給を取り続けてガス欠しないことに注意していく。

レース前日の練習では非常に脚が軽く、体のコンディションは今シーズンベストといえる状態でレースを迎えた。
U23で初めてのネイションズカップなので、不安な気持ちがある反面、自分の力がどこまで通用するのか非常に楽しみな気持ちでレースをスタートした。
ニュートラル区間で集団先頭まで上がり、リアルスタート後のアタック合戦に参加していき、一度オーストリアの選手と集団から抜け出したがそこは吸収されてしまい、次の動きへと変わっていった。
その中で山本選手が4人ほどの逃げに乗りしばらく先行したが集団は吸収し、しかし山本選手はその後も新たな逃げを形成し、それでできた二人逃げが先行すると集団は完全に容認してスローダウンし、ゆっくりと進む展開に変わった。
自分はその後の追走の動きに乗り遅れないために常に前方の動ける位置をキープしていたが、飛び出す動きはなくタイム差は最大で8分まで開いた。
石畳や狭い農道を通過していく中で集団がなんども落車が起きかける状況が続いた。
35km地点あたりで周りの選手がトイレに入っていたタイミングで自分も止まってトイレに入ったが、そのタイミングは重大なミスをしてしまっていて、再スタートすると集団のスピードが急激に上がっており、横風のペースアップがかかってしまい、分断された後方集団に入る形になってしまった。
集団に追いつくまでは、横風なので楽をするためにローテーションに加わって集団復帰を目指し、5kmほどで前に合流することができたが、その直後に落車に巻き込まれかけてまた一気にポジションを落としてしまい、その後も続いた横風ペースアップでは脚を削られてしまった。
その後はポジションを上げていって先頭まで上がることはできていたが、そこでキープすることが難しく、上がっては埋もれるということを繰り返してしまっていた。
しばらく続いた横風攻撃も一旦落ちつき、レースは中盤から集団に向かって少しずつコースに起伏が現れ始めたので詰まるタイミングなどを見計らって一気に前方に上がって楽なポジションをキープすることができていた。
しかしそのあと位置を下げてしまった状態で登りの連続区間に突入してしまい、そこからは中切れして少し遅れては集団に復帰するのを繰り返し、最終的に2つ目の未舗装路区間で集団から脱落してしまい、そこからは8~10人ほどのグルペットとなってゴールを目指すこととなった。
グループ内でも登りの連続区間にもう一度差し掛かるとペースのばらつきがあるが、リズムの合う選手とうまく回りながらペースを刻んでグループをまとめながら進めて最後は先頭から8分遅れの81位でゴールした。

本当に苦しい190kmでしたが、同時にすごく楽しくもありました。
U23一年目の自分がこのレースを経験できたことは本当に大きな収穫となり、必ず来年につなげたいと思います。
今回は貴重なチャンスをいただきありがとうございました。

<反省点>
・結果的に逃げに乗ることはできなかったが、スタートアタック合戦に参加すると決めて、ニュートラル区間で先頭まで上がってしっかりと参加することができた点は、自分のポジションをあげる技術を試して生かすことができてよかったと感じた。
   
・今回トイレに止まるタイミングを大きくミスしてしまった。集団のスローダウンの雰囲気とペースアップの雰囲気を嗅ぎ取ることが全くできていなかった。
   
・横風の攻撃を受けたときにはこれまでのケルメスの経験から、ローテーションに加わって楽をするといった技術を活かすことができた。
   
・レース後半の山場となる登り区間に差し掛かるときに、上がらなければいけないとわかっていながら悪い位置で入ってしまい、それによってもっと楽をして生き残ることができていたと思うので、非常に残念なことをしてしまった。
   
・過去にないほどに自分を追い込んだキツさを感じることができ、今まで自分なら脚が止まってしまっていたと思われるところでも食らいつくことができていたと感じられた。

・最後はグルペットでゴールを目指すことになったが、そのグループを自分でまとめることはできていた。

<改善点>
・今回のレースは完全に力の全てを尽くすことはできていたので、純粋に選手としての力を底上げしてく必要を感じたので、5時間のレースを戦い抜くスタミナと、難所で求められる瞬間的な力の双方のレベルアップを図っていく。
   
・今回に関しては190km最後までもつだろうかという不安も少しあったので位置取りで脚を使わないようにという考えがとても強く、それによってポジションキープがうまくいっていない部分もあったので、今後は多少脚を使ってでも結果的に楽な位置を取ることを意識していく。
   
・補給を取りに下がるタイミングや、トイレに止まるタイミングなどを見極めることはまだあまり得意ではないので、少しでも下がる選手が出始めたら早めに動くように気をつける。(蠣崎優仁)』

 * * *

<渡邉歩(途中棄権)自身によるレースレポート>

 

『U23ワールドカップの初戦になったこのレース。初めての石畳のレースになり分からないところが多かったが事前の情報、下見やアドバイスを頼りにレースに挑んだ。

 

コースは後半にアップダウンがありそこが勝負どころ。しかし前半からも横風区間に警戒しなくてはならないレイアウトだった。

 

心配された天候は当日に日差しも見えるくらい良くなった。

 

今回は日本チームの存在感のある走りを目標に、いけるところまで。15位以内という大きな目標を自分の中に持って走った。

 

レーススタート後からハイスピードで進みいくつかアタックがある。数キロでいきなり現れた石畳の後、山本選手のアタックに2名が反応。その後2名は戻ったものの集団からオーストリアの選手がジャンプ。自分はその次の追走を狙った。

しかし強豪国を中心に蓋をするような動きになり逃げは容認。長旅が始まり自分は集団内で待機した。

 

かなりのスローペースで進んでいき、30㎞を過ぎたあたりから道も細くなる。そろそろ後ろにいるとまずいなというタイミングで落車ストップ+横風をくらい集団が割れ後方グループに。無駄脚を使い集団に戻る。その後位置取りに対して厳しくなる時間が長くなる。

 

レース後半、最初のKOMの手前で落車ストップ。そこから次の上り後に前にジャンプするイメージで上りをクリアするものの、思っていたよりも差が開いておりジャンプできず。結果、伸び伸びの状態でケンメルベルグに入り、前との差が広がる。下った時には集団から3グループほど後ろに取り残される。前を目指して追い20名ほどのグループを作るものの差が徐々に広がりグルペットに。160㎞ほどで車から声を掛けられレースを終えた。

 

ベルギーや北欧系の体格の良い選手が多く、走り方もいつものレースとは勝手が違い苦戦。個人的にはかなり失敗したレースになってしまった。

次回はTOP15をチームで狙えるように、1人でも多く先頭グループに残るように走っていきたい。(渡邉歩)』

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(写真)オーストリア選手とエスケープをする山本大喜。

【参考リンク】

<2018年「エキップアサダ(EQADS)」メンバー>