【レースレポ(EQADS/日本代表U23)】『世界選手権ロード(9/22-30)』日本U23ロード全員がタイムアウト。膨大な宿題を突きつけられた日本U23。

Kenichi Yamazaki2018/09/18(火) - 14:31 に投稿

 

レース&カテゴリー名

世界選手権ロードレース
2018Road World Championship

期間・日程

2018年9月22-30日
*EQADSの3名が出場のU23ロードレースは、9月28日(金)12時10分(現地時間)=日本時間19時10分開始

距離:179.9km(U23ロード)
獲得標高:2,910m

■インタラクティブコースマップへのリンク(大会公式ページ)

■U23ロードレースのコースプロフィール:

EQADSからの出場選手

松田祥位(EQADS)
渡邉歩(GSCブラニャック/EQADS)
石上優大(AVCAIX/EQADS)

■日本代表派遣団フルリスト

開催地

インスブルック・クーフシュタイン

【レースリザルト】

24日:U23個人タイムトライアル

■写真↑:U23世界選手権に初出場の松田祥位。世界の壁の厚さを思い知ったが、未来につながる重要な経験を積む事が出来た(Photo:Miwa IIJIMA/CorVos)

1位:BJERG Mikkel (デンマーク)32:31.05
47位:松田祥位/MATSUDA Shoi (日本)+2:58.18
49位:山本大喜/YAMAMOTO Masaki (日本)+3:00.88

/出走70人

■フルリザルト

<レース解説:U23個人タイムトライアル>

気温は15度に届かず、冷たい風が吹く中でのレースとなったが、最後に出走した昨年の同カテゴリー世界チャンピオン、ミッケル・ビョーグ(デンマーク)が32分31秒05のトップタイムをマーク。U23カテゴリー2年目の19歳が圧倒的な力で二連覇を達成した。7番目の出走となったU23カテゴリー1年目の松田は、トップから2分58秒18差の47位、ロードレースに重点をおく個人タイムトライアルU23日本チャンピオンの山本は3分88差の49位でレースを終えた。二選手とも調子の良さを感じているため、9月28日(金)に開催されるロードレースに向けて、現地でトレーニングや試走を重ねていく。

<監督・選手コメント:U23個人タイムトライアル>

●浅田顕コーチのコメント

「コースは前半の平坦基調と後半のアップダウン区間を組み合わせたスピードコースで、大型でパワーのある選手の活躍が予想された。今大会トップ30をシーズン目標としていた松田は各コーナーや登り区間をロスなく通過できたが、スピードを上げるべく追い風の平坦区間で思うようにスピードが上がらず、平均速度を上げることができなかった。持ち前の高速巡航力を発揮できなかったのは残念。一方28日のロードレースに重点を置く山本は、前半の追い風区間でスピードに乗せペースを作った。終盤のアップダウンン区間で若干ペースを落としてしまったが、ロードに向けての調子の良さは感じられた。個人タイムトライアルではともかくトップから4㎞/h以上の平均速度の差をコツコツと埋めていきたい。」

●松田祥位(岐阜・EQADS)のコメント

「コース下見を重ねて、できるだけ不安がない状態で走った。レースでも無心で踏み続け、ベストの力を出すことをできたと思う。力の差や細かい修正点はあるが、現段階ではコーナリング等も工夫して走ることができたと思う。ジュニアカテゴリーでは、海外のレースを走る機会が限られていて、レースを走って課題をみつけても、それを次のレースで実践するまでのスパンが長かった。でもアンダー23カテゴリーになり、これからは春も夏も遠征があるので、課題を克服していくスパンを短くしていければ、世界に食らいつくことができると考えている。恵まれた環境があると思うので、それを無駄にせずに上をめざしていきたい。ロードレースは、これまでの欧州遠征の集大成。学んだことを出していきたい。いかにチームメートを上位に送るかが仕事になると思うが、恐れずに走っていきたい。調子は良く、ようやく身体が動いてきている感覚なので頑張りたい。」

●山本大喜(奈良・KINAN Cycling Team)のコメント

「試走してコースを覚えて、どこで踏むかとか考えていた。それを思っていたとおりにレースでもできたので、出せるものはすべて出し切り、ベストを尽くせたと思う。(アンダー最後の年だが)アンダーでこれだけ力の差がある状態で、エリートに行くとどんどん差が広がるだけだと思う。何か良いきっかけを作って今まで以上に違うことをしないといけない。そう思えたことは良かった。タイムトライアルを走って調子は悪くないと感じている。タイムトライアルは力勝負なので差が出てしまうのは仕方ないこと。ロードレースではダメージを少なく、最後まで脚を残していければ、トップに付いていくことができると思う。先頭集団に残ることだけを考えて走りたい。」

■写真↑:U23初年度に大きな成長を遂げた松田。視線の先は世界のプロ世界だ。(Photo:Miwa IIJIMA/CorVos)

28日:U23個人ロードレース

■写真↑:3/4周回に入った石上だが、無念の足切りとなった。8月下旬の鎖骨骨折からの復帰戦という事もあったが、世界との差を見せつけられた戦いとなった。


1位:HIRSCHI Marc (スイス) 4:24:05
DNF:石上優大、大前翔、山本大喜、松田祥位、渡邉歩
/出走178人

<レース解説>

UCIロード世界選手権インスブルック・チロル大会、9月28日(金)第6日目は男子U23カテゴリー(23歳未満)のロードレースが開催された。コースはクーフシュタインからスタートし、インスブルックの周回コースを4周回する179.5kmで合計獲得標高は2910m。52カ国から178名が出走したが、ヨーロッパの強豪国には、すでにUCIプロチームで活躍する選手も多く含まれており、非常にレベルの高いレースとなることが予想されていた。日本ナショナルチームは、U23アジアチャンピオンの山本大喜(奈良・KINAN Cycling Team)、U23全日本チャンピオンの石上優大(神奈川・EQADS)、松田祥位(岐阜・EQADS)、大前翔(神奈川・慶應義塾大学)、渡邉歩(福島・GSC BLAGNAC)の5名でチームを編成し、好調な山本を軸に戦う作戦でスタートした。

90kmのライン区間を終えて、スイスの1選手が先行する展開で周回コースへと入ったが、60km地点のグナーデンヴァルトの登りで渡邉が遅れてしまう。周回コースに入っても集団は常にハイペースを刻み、2周回目に入ると、大前、松田、石上もメイン集団から脱落。山本も懸命に食らいついていったが、周回コース終盤の道幅の狭い登坂区間で遅れ、渡邉が1周回完了時、山本と松田は2周回完了時に足切りとなった。石上と大前が3周回目に入ったが、大前は登坂区間で大きく遅れたために頂上でリタイア、石上も3周回完了時に規定のタイムリミット(先頭から15分経過)に達していなかったものの足切りとなった。石上は8月のツール・ド・ラブニールで落車し鎖骨骨折した経緯があり、万全とは言えないコンディションでの今大会出場だった。

メイン集団は2周回目の下りからアタックの攻防が始まり、3周回目の登坂区間では完全に集団は崩壊。最終周回の登坂区間で3名の先頭集団が形成され、下りに入るとマルク・ヒルシ(スイス)がアタックを仕掛け、圧倒的な下りのスキルを活かして一気に後続を振り切り、独走で優勝した。完走者は90名だった。

<浅田顕コーチのコメント>
90㎞のライン区間と7㎞の峠を含むゴール周回を4周する非常に厳しい今回の山岳コースでは、山本を可能な限り最後までメイン集団に残すためにライン区間は渡辺と大前、登り区間では松田が山本の位置取りと牽引を受け持つことで30位以内を成績目標とした。8月の骨折以来の復帰戦となる石上は自力で動き、今できる最大の走りでゴールを目指した。

レースは全体的に速く純粋に登坂力がなければ残れない展開のなか、日本チームは早い段階で戦列から離れることになり、各周回での規定タイムオーバーにより全員が途中棄権となった。結果は本当に残念だが、これが山岳コースでの実力評価。真直ぐ受け止め来年の成長に繋げたい。レース自体は1年を戦ってきた各国ライバル同士のぶつかり合いでU23世界一を決めるに相応しい実力勝負の素晴らしいレース展開であった。

 

<石上優大(神奈川・EQADS)のコメント>
完走できると思っていたが甘かった。(鎖骨骨折のため)自転車乗り始めて2週間ちょっと。やれることはやってきたが全然足りなかった。結果的にはケガの影響は否めない。テーピングと強い痛み止めを飲んで、なんとかごまかしたが、練習できなかったのが響いてしまった。アンダー23はあと1年。もう時間はないと思っている。限られた時間のなかで、やれることをやって結果を出していきたい。

Ayumu ChM

■写真↑:初周回では上りのはじめに集団先頭付近へと躍り出る場面もあった渡邉歩。

 

■写真↑:U23初年度の松田も完走ならず。しかし、個人TT&ロードダブル出場の経験は未来へと繋がるはずだ。

【参考リンク】

<2018年「エキップアサダ(EQADS)」メンバー>