【レースレポ(EQADS/日本代表)】『ツール・ド・ランカウイ:UCI-2.HC(4/6-13)』増田成幸が総合5位!日本に貴重なUCIポイントを齎す

Kenichi Yamazaki2019/04/03(水) - 22:45 に投稿

■写真↑:アジア最高峰のステージレース『ツール・ド・ランカウイ(UCI-2.HC)』。かつてエキップアサダ/浅田顕監督にとっては常連レースだったが、プロチームの休止と共にご無沙汰に。浅田にとって久方ぶりの参戦となるが、今回のミッションはオリンピックに向けて日本により多くのUCIポイント齎す事である。

 

■写真↑:ツール・ド・ランカウイ2019のコースマップ。注目は第4ステージ、4年ぶりに復活したゲンティン・ハイランド。20.5kmで約1400mを上る平均勾配7.5%の超級山岳だ。総合優勝争いはこの第4ステージで決まる事となる。

 

レースカテゴリー名

ツール・ド・ランカウイ(UCI-2.HC)

Tour de Lankawi

期間・日程

2019年4月6日(土)~13日(土)

出場選手(日本ナショナルチーム)

<選手>
入部 正太朗(奈良 シマノレーシング)
増田 成幸(栃木 宇都宮ブリッツェン)
窪木 一茂(福島 チームブリヂストンサイクリング)
雨澤 毅明(栃木 LJUBLJANA Gusto Xaurum)
松田 祥位(岐阜 EQADS)

<スタッフ>
監 督 浅田 顕(JCFロードコーチ)
メカニック 檀祐 太郎(JCF強化支援スタッフ)
マッサー 森 典隆(JCF強化支援スタッフ)

開催地

マレーシア全土

【結果/リザルト】

<4月6日:第1ステージ=176.9km >

■写真↑:好調そうな松田。UCIポイント獲得に期待!

■第1ステージリザルト:

1位:CULEY Marcus(オーストラリア/Team Sapura Cycling) 4h20m40s
2位:MCCABE Travis (アメリカ/Floyd’s Pro Cycling) +5s
3位:HENDRICKS Clint(南アフリカ/ProTouch) +5s
15位:松田祥位
33位:雨澤毅明
36位:小石祐馬(TEAM UKYO)
37位:増田成幸+5s
61位:入部正太朗+16s29s
80位:窪木一茂+18m07s
124人完走 / 131人出走

■<第1ステージ>フルリザルト
◆<総合>フルリザルト

<浅田顕監督のコメント(第1ステージ)>
「全8ステージ中、2番目に厳しいステージが初日の第1ステージと予測された。チームは増田を先頭グループに残す目標でスタート。30℃を余裕で超える暑さのなか序盤より攻撃が活発で、最初の3級山岳を超えた直後に実力のある4名のグループが先行し複数のスプリントポイントと山岳ポイントを超えながら後半まで進む。一方メイン集団は先行グループに一時は9分の差を許したが中盤の3級山岳でペースアップがあり約50名に絞られ先頭を追う形となる。チームからは増田、雨澤、松田が残りゴールへと進む。逃げ切りを狙った先頭は最後一人だけが残り迫る後続集団に僅か5秒の差で逃げ切った。チームからはゴールスプリントにも参加してみたという松田の15位を筆頭に、雨澤、増田の3名が5秒差の集団で初日を終えた。 /浅田 顕」

 

<4月7日:ステージ2=200.6km>

■写真↑:窪木がステージ3位。UCIポイントを5点を日本に齎す。

■第2ステージリザルト:

1位:SALEH Mohd Hariff(マレーシア/Terengganu Cycling Team)4h53m20s
2位:GUARDINI Andrea(イタリア/Bardiani – CSF)+0s
3位:窪木一茂+0s
51位:雨澤毅明
54位:松田祥位
65位:増田成幸+0s
入部正太朗 +4m02s
122人完走/124人
■第2ステージ終了時点での総合首位:
1位:MEBRAHTOM Natnael(エリトリア)2h33m53s

■<第2ステージ>フルリザルト
◆<総合>フルリザルト

<浅田顕監督のコメント(第2ステージ)>

「第2ステージは200㎞のフラットなロングステージ。レースは序盤から入部を含む12名のグループが先行し距離を消化してゆく。中盤には先行グループから入部含む3名が抜け出し、ラスト50㎞を切ったあたりで入部は更に2人を振り切り勝負をかけた。しかしゴールスプリントにまとめたい大集団は単独になった入部を1分程度の差で射程距離に置きゴールへアプローチしラスト10㎞地点で吸収され、惜しくも果敢な180㎞の大逃げは終了した。チームは窪木のゴールスプリントに切り替え、連携を固め最後の直線まで導くと、窪木は見事3位でゴールラインを切った。増田、雨澤、松田も大集団ゴールとなり個人総合成績には変動なく第2ステージを終えた。/浅田 顕」

 

<4月8日:ステージ3=192.6㎞>

■写真:日本チームの総合順位を一身に背負う増田成幸(左)、中央後方に次世代を担う松田祥位、そして元日本チャンプの窪木一茂。

■第3ステージリザルト:

1位:MACCABE Travis (アメリカ/Floyd’s Pro Cycling) 4h49m39s
2位:PELUCCHI Matteo(イタリア/Androni Giocattoli – Sidermec)+2s
3位:GUARDINI Andrea(イタリアBardiani – CSF)+2s
5位:窪木一茂
23位:松田祥位+2s
32位:増田成幸
54位:雨澤毅明+6s
104位:入部正太朗+38s

■<第3ステージ>フルリザルト
◆<総合>フルリザルト

<浅田顕監督のコメント(第3ステージ)>

「第3ステージも200㎞近いフラット基調のステージ。今日も炎天下、序盤から少人数の逃げグループが先行する中、チームは個人総合上位勢の追走の動きをチェックしながら最後は窪木のゴールスプリントに備えた。約100人が残る最終局面では、最後はラスト1㎞の最終コーナーでチームスプリント体制を整えたFloyd’s Pro Cyclingが圧勝。最終コーナーで連携が若干崩れ後れを取ったジャパンチームだったが窪木はスプリント力の好調さを見せ5位に食い込んだ。明日は今日までの秒差争いの個人総合のタイム差を大きく砕く山頂ゴールステージ。個人総合成績上昇のためにチーム一丸ベストを尽くす。/浅田 顕」

 

<4月9日:ステージ4=114.2km>

■第4ステージリザルト:

1位:DYBALL Benjamin (オーストラリア/Team Sapura Cycling) 3h22m02s
2位:AGUIRRE Hernán (コロンビア/Interpro Cycling Academy) +:23s
3位:SWIRBUL Keegan (アメリカ/Floyd’s Pro Cycling)+44s
5位:増田成幸+1m19s

48位:松田祥位+10m22s
113位:入部正太朗+27m19s
115位:雨澤毅明+27m23s
120位:窪木一茂+28m36s


■第4ステージ終了時点での総合首位:

1位:DYBALL Benjamin (オーストラリア/Team Sapura Cycling) 17h25m42s
5位:増田成幸+1m29s
■<第4ステージ>フルリザルト
◆<総合>フルリザルト

<浅田顕監督のコメント(第4ステージ)>

「第4ステージは個人総合成績に最重要な山頂ゴールステージ。チームは増田の個人総合6位以内を目標にスタート。レースは終始展開がある中、山岳区間に入った後半からチームは全員で前衛をキープし集団をコントロール。チームワークにより勝負所まで力を温存できた増田は標高1645mの山頂ゴールで実力を発揮し重要なステージを5位で終えた。この結果個人総合も5位に浮上し今回の目標達成に向けて大きく前進した。明日からは増田の個人総合成績を最重要視しながらもレースを展開し残りのステージでも好成績を残してゆきたい。/浅田 顕」

 

<4月10日:ステージ5=200.1km>

■第5ステージリザルト:

1位:PELUCCHI Matteo (イタリア/Androni Giocattoli – Sidermec) 4h27m11s
2位:QUICK Blake (オーストラリア/St George Continental Cycling Team)+0s
3位:MCCABE Travis (アメリカ/Floyd’s Pro Cycling)+0s
20位:松田祥位

34位:窪木一茂
44位:増田成幸+0s
89位:雨澤毅明+42s
102位:入部正太朗+1m09s


■第5ステージ終了時点での総合首位:

1位:DYBALL Benjamin (オーストラリア/Team Sapura Cycling) 21h52m53s
5位:増田成幸+1m29s
■<第5ステージ>フルリザルト
◆<総合>フルリザルト

<浅田顕監督のコメント(第5ステージ)>

「個人総合成績に差がついた山岳ステージ明けの第5ステージは200㎞のフラットロングステージ。チームは増田の個人総合を守りながら展開し、入部は序盤からイタリア勢を含む個人総合成績入賞圏外の8名の先行グループでゴールを目指した。集団は最大3分半まで差を開けたがゴール10㎞手前で1分まで詰める。入部は素晴らしい走りで最後の5名までに残りステージ優勝のためのアタックを試みるがラスト1㎞で大集団は5名を飲み込みゴールスプリントとなる。増田はチームに守られ集団ゴールとなり個人総合も変動なくレースを終えた。/浅田 顕」

 

<4月11日:ステージ6=130.8km>

■第6ステージリザルト:

1位:PELUCCHI Matteo (イタリア/Androni Giocattoli – Sidermec)2h47m19s
2位:REGUIGUI Youcef (イラン/Terengganu Cycling Team)+0s
3位:SALEH Mohd Hariff (マレーシア/Terengganu Cycling Team)+0s
10位:窪木一茂
50位:増田成幸
94位:松田祥位+0s
112位:雨澤毅明+1m39s
116位:入部正太朗+3m49s
■第6ステージ終了時点での総合首位:
1位:DYBALL Benjamin (オーストラリア/Team Sapura Cycling) 24h40m12s
5位:増田成幸+1m29s

■<第6ステージ>フルリザルト
◆<総合>フルリザルト

<浅田顕監督のコメント(第6ステージ)>

「第6ステージは平坦で130㎞と距離が短くスピードレースとなった。アタック対集団の追いかけっこで距離を消化するなか、ペースが緩んだ隙に出来た24人のグループが先行。チームからは今日も入部が入り一時は1分半の差が開く。しかしロシアチームの強烈な追走で間もなく吸収されレースは集団スプリントとなった。チームではスプリントに備えた窪木だったが今日はうまくスプリント出来ず10位にとどまった。個人総合成績では増田が難なく集団ゴールし5位をキープした。明日からはランカウイ島に入りコースもテクニカルになる。残り2日を攻めの走りで上位を狙ってゆきたい。/浅田 顕」

<4月12日:ステージ7=106.8km>

■第7ステージリザルト:

1位:BEVILACQUA Simone(イタリア/Neri Sottoli – Selle Italia – KTM)  2h17m59s
2位:KASTRANTAS Charalampos(ギリシャ/Brunei Continental Cycling Team,)+0s
3位:WIGGINS Craig (オーストラリア/St George Continental Cycling Team)+0s
35位:窪木一茂
36位:増田成幸
100位:入部正太朗
105位:雨澤毅明+0s
114位:松田祥位+7m46s
■第7ステージ終了時点での総合首位:

1位:DYBALL Benjamin (オーストラリア/Team Sapura Cycling) 26h58m11s
5位:増田成幸+1m29s
■<第7ステージ>フルリザルト
◆<総合>フルリザルト

<浅田顕監督のコメント(第7ステージ)>

「第7ステージかは海を渡りランカウイ島で開催。一昨日からのハードスケジュールで大会全体が睡眠不足気味。チームは引き続き増田の個人総合を最優先にステージ成績のチャンスもうかがう。レースは107㎞と短めのステージであるためスタートから動きが活発で、チームからは入部と松田が動くが成功に至らず、その後集団からは個人総合上位を含む5名の先行する。チームは増田の個人総合の順位を落とさぬ様に早めに集団のペースづくりに加わり後半へと進んだ。ラスト10㎞で集団は先行グループを全員吸収し大集団でのゴールスプリントとなる。窪木はチームの連携を生かし今日もスプリントを試みるが力が発揮できず上位に入ることはできなかった。増田は調子よく今日もチームの協力のもと総合上位をキープし明日の最終日へと繋げた。」

 

<4月13日:ステージ8>

■第8ステージリザルト:

1位:BENFATTO Marco (イタリア/Androni Giocattoli – Sidermec) 2h17m42s
2位:QUICK Blake(オーストラリア/St George Continental Cycling Team) +0s
3位:PELUCCHI Matteo (イタリア/Androni Giocattoli – Sidermec)+0s
35位:増田成幸+0s

62位:松田祥位
66位:窪木一茂+1m0s
96位:入部正太朗+5m14s
112位:雨澤毅明+14m0s
■第8ステージ終了時点での総合首位:
1位:DYBALL Benjamin (オーストラリア/Team Sapura Cycling) 29h15m53s
2位:SWIRBUL Keegan (アメリカ/Floyd’s Pro Cycling)+50s
3位:PRONSKIY Vadim (カザフスタン/Vino – Astana Motors)+1m05s
5位:増田成幸+1m29s
45位:松田祥位+19m14s
78位:雨澤毅明+43m54s
91位:窪木一茂+47m40s
103位:入部正太朗+58m35s

■<第8ステージ>フルリザルト
◆<総合>最終フルリザルト

<浅田顕監督のコメント(第8ステージ)>

「第8ステージは増田の個人総合5位以内を確保する事一本に絞りスタート。チームは昨日同様リーダーチームに混ざり個人総合上位者を含む先行グループに対し一定の差でコントロールしレース終盤を迎えた。チームは各役割に徹しながら急坂のあるゴール周回まで増田を温存し、増田は最終局面でも危なげなく攻撃に対応した末、絞られたトップ集団でゴールし個人総合5位を守った。8日間に渡り19歳から35歳のそれぞれタイプが違う選手が集まった今回の代表チームは、素晴らしいチームワークで連日奮闘し目標の個人総合6位以内を達成した。/浅田 顕」

【参考リンク】

<2019年「エキップアサダ(EQADS)」メンバー>